人事労務ニュース
人事労務ニュース

文書作成日:2024/05/28

労災保険特別加入者の給付基礎日額の変更

 労働者災害補償保険(労災保険)は、労働者の業務中や通勤途上の災害等に対して保険給付を行うものであり、労働者ではない事業主や法人の役員等は保険給付の対象になりません。ただし、中小企業の事業主等で、労働者でなくとも、業務の実態や災害の発生状況から見て、労働者に準じて保護することがふさわしいと認められる場合には、一定の手続きを経ることで、労災保険に任意で加入することができます。この仕組みを労災保険の特別加入といいます。以下では、特別加入における給付基礎日額の決定方法、変更方法と変更時の留意点をとり上げます。

[1]特別加入者の給付基礎日額の決定方法
 通常の労働者が業務中に発生した災害により、労災保険から休業したときの給付を受け取る場合等では、災害が発生したときの平均賃金をもとに給付基礎日額を計算します。これに対し、特別加入者の給付基礎日額は、事前に16に分かれた給付基礎日額(3,500円〜25,000円)から一つを選択し、申請を行うことで決定されます。そして、一旦、決定された給付基礎日額は、年度の途中では変更できません。

[2]特別加入者の給付基礎日額の変更方法
 特別加入者の給付基礎日額は、年度単位(4月から翌年3月)で変更することができ、変更のタイミングは2つあります。1つ目が事前申請といわれ、3月2日から3月31日までに申請をすることで翌年度の給付基礎日額を変更することができます。2つ目が年度更新期間中である6月1日から7月10日までに行うことにより年度の初日に遡って変更することができます。この際、給付基礎日額の変更申請前に災害が発生している場合は、当年度の給付基礎日額変更は認められません。可能な限り、給付基礎日額の変更は、事前申請での対応としたいものです。

 給付基礎日額の変更によって、給付の額が変わります。まもなく年度更新の期間になることから、一度、給付基礎日額が適当な額になっているか確認しておくとよいでしょう。なお、特別加入をするときには、労働保険事務組合に労働保険の事務処理を委託している必要があります。

■参考リンク
厚生労働省「労災保険 特別加入制度のしおり(中小事業主用)

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



 
 
   
経営・労務に役立つ
小冊子を無料進呈
(広島県に本社を有する企業様毎月10社限定)


 

 



社会保険労務士
個人情報保護事務所認証


アーチ広島社会保険労務士
法人は、社会保険労務士個
人情報保護事務所の認証
(SRP認証)を受けています。

SRP認証は、社会保険労務
士事務所の個人情報を取り
扱う上での「信用・信頼」の
証です。当事務所は個人
情報保護事務所認証に
のっとり、個人情報を厳重に
取り扱います
詳しくはこちらへ







アーチ広島社会保険労務士
法人は、広島県の次世代育
成支援策の一つである「仕
事と家庭の両立支援企業
登録制度」、「男性育児休業
等促進宣言登録制度」の
登録企業・事務所として、
広島県より登録証を交付さ
れています詳しくはこちらへ




当事務所はチャレンジ25
キャンペーンに参加し、
地球温暖化防止に向けて
取り組んでいます。