会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2024/01/11
就業規則の周知とは

坂本工業では、4月に向けて就業規則の改訂を予定している。そこで就業規則の周知について、社労士に確認することにした。

 こんにちは。就業規則の内容と実態に不整合が見られるところがあることから、4月に見直しを予定しています。就業規則を改訂した際、従業員への周知が必要ですが、この周知とはどのように行えばよいのでしょうか?

 周知の方法については、次の3つのうち、いずれかの方法をとる必要があります(労働基準法施行規則第52条の2)。

  1. 常時各作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付ける。
  2. 書面を従業員に交付する。
  3. 磁気テープ、磁気ディスク等に記録し、従業員がその内容を常時確認できる機器を各作業場に設置する。

 ポイントは、従業員が就業規則を確認したいときに、いつでも見ることができるようにしておくことです。

 当社では、印刷したものを本社と工場に置いてあり、従業員がいつでも見ることができる状態になっています。ただ、就業規則を変更したにも関わらず、印刷したものが差し替わっていないことが稀にあり、困っています。

 印刷したものを置いておくという方法もありますが、3.にあるように、電子媒体で行う方法も可能です。例えばイントラネットに掲示するという方法が挙げられます。

 必ず書面でなくても良いのですね。工場にも勤怠打刻用の共用パソコンがあり、そちらから閲覧することが可能ですので、検討してみます。

 周知に関してもう少し確認したいのですが、周知ができていない場合、改訂された就業規則は有効とされないのでしょうか?

 そうなりますね。まずは周知が重要です。就業規則は、従業員の過半数代表者の意見を聴取して、労働基準監督署へ届け出ることが必要ですが、これだけでは効力は発生しないとされています。

 労働基準監督署への届出と従業員への周知のタイミングをどうしたらよいのか、迷うことがありますが、どのように考えればよいのでしょうか。

 就業規則の効力の発生は、従業員に周知された日以降で、就業規則に施行期日が定められているときはその日になります。例えば、従業員に2024年3月10日に周知を行い、就業規則の施行期日が2024年4月1日となっていれば、2024年4月1日から効力が発生します。

 施行期日以降に、従業員に周知された場合は、周知された日から効力が発生するということですね。

 そのような考え方になりますね。就業規則を改訂するときには、あらかじめ周知と施行、届出に関するスケジュールを明確にして進めていくことが重要ですね。

 わかりました。

>>次回に続く



 2024年4月より労働条件の明示ルールが変わりますが、これに伴い厚生労働省から出されたモデル労働条件通知書に、「就業規則を確認できる場所や方法」の欄が追加されました。これは労働基準法施行規則の改正に基づくものではなく、行政通達の改正に基づくものであり、就業規則を備え付けている場所を示すことで、従業員が容易に就業規則を確認できる状態にすることを目的としています。
 労働条件通知書のひな形に、「就業規則を確認できる場所や方法」の欄を追加することを検討してみてもよいでしょう。

■参考リンク
厚生労働省「就業規則を作成しましょう

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



 
 
   
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